馬の耳に念仏
その時、私はすかさず「先生合気とは何ですか?」と聞きました。
すると一瞬、先生が「ん!」と詰まってから、「合気とはね…」と言われたのです。
私はハッとして先生のお顔を見ました。
そして次の言葉に集中しました。
先生は、「合気とはね、合気と書いて気を合(がっ)するという意味ですよ。気を合すると読むのですよ」と言われたのです。
「先生! 合気とは気を合することですか?」と、私は思わず声が上ずりました。
先生は、「う~む、そうだよ」とうなずきます。
私は「ありがたい!」と心の中で叫びました。
中略
「気を合するのだ」と分かって、私はピンときたのです。
「合気の極み」p175
錦戸先生は、堀川先生の「合気とは気を合するのだ」というひと言がなかったら、合気をつかめなかったかも知れないとまで言っておられます。
今の私には、この言葉を百万回聞いてもピンときそうにありません。
まさに「馬の耳に念仏」「犬に論語」「牛に経文」「猫に小判」「豚に真珠」です。
おそらく、蓮(ハス)の華をひねるのを見て、微笑むぐらいの境地に達していなければ理解できないのでしょう。
女性のポスターを見てニンマリしているようでは、まだまだ道は遠いかも・・・