あれから3年 その1
2020年4月、第一回目の緊急事態宣言が発令されて武道館が休館となり、私たちの稽古も自粛を余儀なくされました。
コロナ禍で外出もままならず暇を持て余したので、久しぶりに山でも歩こうかと近所の山に行ってみました。
ところが、わずか100メートルほど坂道を登ったところで、息はゼイゼイ、心臓バクバク、膝はガクガク、頭クラクラとなって倒れそうになったのです。
「何じゃこりゃ!」です。
別に重い荷物を背負っていたわけではありません。
軽く運動のつもりだったので、持ち物はポケットに入れた携帯とメガネだけです。
こんなわずかな距離を歩いただけでこのような状態になるとは、我が身のあまりの弱体ぶりに愕然としました。
日頃は会員の方に「しっかりと立ち、しっかりと座り、しっかりと歩くことが重要です。」とか、偉そうに講釈を垂れていたくせに、ほんのちょっと坂道を登っただけでこのザマです。
恥ずかしくて穴があったら入れたいと思いました。
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あれからもうすぐ3年
あの日以来徘徊老人と化して、リュックに付けた鈴の音を道連れに、三密とは無縁の山の中を歩き回る毎日です。
山の新鮮な空気を吸って、春夏秋冬、季節の変化を楽しみながら元気に徘徊できることは本当にありがたいことです。
おかげで、顔も真っ黒になり、足腰も多少は丈夫になって心肺能力も向上し、少しくらい歩いても倒れそうになることはなくなりました。