受けについて


稽古方法で述べているとおり、当会においては受けが指導者として稽古します。

会員の上達は、受けの指導能力に大きく左右されます。

受けの在り方は極めて重要ですので、当会の受けの要領をより理解していただくため、受けについて少し詳しく説明します。


当会の稽古の目的は、勝負や相手を倒すことではなく、感覚を見出し磨き、また力と動きの質を変えて氣の身体を作り、合氣を修得することです。

したがって、実戦的な考えからは一旦離れることが必要です。


会員同士で稽古する場合は、まず上級者が取りとして何回か下級者に技をかけて手本を示します。

これがなかなかムツカシイのですが・・・・・・・・・・。

次に取りと受けを交代し、下級者が取りとして稽古します。

この時、稽古内容について二つの場合があります。

一つは、型(技)の稽古をする場合。

もう一つは、掴んだところを動かしたり、掴まれたところを動かす等、動きの質を変える稽古の場合です。

いずれの場合も、技が有効に効いていない場合は、受けは自分から倒れないというのが大原則です。

それぞれの場合について、受けの着意事項を説明します。


1 型の稽古の場合

受けは取りを制する気持ちで、正しく攻撃します。

正しくない攻撃というのは、相手に意識が向いていない攻撃や、自分が倒されないためのような攻撃、腰の引けた攻撃等です。

たとえば両手首をつかむ場合であれば、相手を身動きできなくするような意識で掴むのと、自分が動かされないような意識で掴むのとでは、相手に対する作用は全く違います。

自分がやられないようにではなく、常に相手を制する意識で攻撃します。

そして取りが技をやっている間も攻撃を緩めず、崩されない場合は自分から倒れることはしません。

もちろん、受けは上級者ですから、受けが全力で攻撃すると取りが崩せるはずはありません

したがって、取りの技量に応じて攻撃の強度を変える必要があります。

むずかしいことですが、取りの能力よりも少しだけ上のハードルが設定できれば最高です。

そして受けを崩せない原因は何かを見つけ、アドバイスしてやります。

上級者から見たら、下級者の修正すべき点がたくさん目につくと思いますが、あれもこれもと指摘するのではなく、その時に最も重要だと思うことを一つだけ、多くても二つぐらい指摘するにとどめます。

そして取りの動きが理にかなっていて崩された場合は、素直に倒されます。

もちろん自分から倒れるという意味ではありません。

身体や肩の力を抜いたりして、わざと倒れないようにしないということです。

取りの上達を心から喜ぶ姿勢が大切です。


2 動きの質を変える稽古の場合

受けは自分が動かされないようにするだけです。壁役に徹します。

相手を制しようとしたり、いなしたりせずに、自分の身体の自然な反応に任せます。

取りの動きが悪い場合は、身体が自然に反応し、崩されたり動かされたりすることはありません。

取りに対するアドバイスの要領は、1の場合と同じです。


まとめると、型稽古の場合は相手を制する意識で攻撃する。

動きの質を変える稽古の場合は、壁役に徹するということです。

意識の持ち方と攻撃するか否かというところが大きく違います。


取りの動きを引き出してやるような受けと、適切なアドバイスをしてやることで、取りと受け、お互いの感覚が育っていきます。