「氣の力」を求めて その3

2015年09月06日 21:29

その方は私より四歳ほど年上で、太極拳の流れをくむ拳法道場の師範でした。

現在、その技は益々円熟味を増し、まさに「老いてなお強し」の境地を体現しておられます。

体験に行って師範と初めて手を合わせた時、自分の力が全然通用せず、全く歯が立ちません。

後で分かった事ですが、これは立位・座位の様々な姿勢でお互いの両手を接触させて押しあって、武術的な身体がどれくらいできているかを見る検証方法でした。

今までの人生で、全く経験した事のない力でした。

当時は私もドライバーの飛距離を伸ばすために、筋力トレーニング等の努力は惜しまずやっていましたので、筋力にはそれなりの自信がありました。

その力が全く通じないのです。

それも筋力で負けたと云うよりも、筋力を発揮する前に崩されるのです。

力を入れようとすると崩されるのですから訳が分かりません。

後で師範に教えていただいたところによると、この力は太極拳では「勁力(けいりょく)」といって、普通私たちが使っている筋力とは質の違う力だということでした。

今ならどういう原理で崩されたのかが理解できますが、当時は訳が分からず、ただただ不思議でした。

しかし、「気の力」を持った本物の先生にようやく出会えたという喜びでいっぱいでした。

さっそく入門させていただき、稽古を始める事になりました。

平成二年九月、ちょうど今から二十五年前の事です。


つづく